4月15日に行なわれた記者会見で、いよいよ対戦カードが発表された「PREMIUM」(5月5日後楽園ホール)。名前の響きにふさわしく、会見では長州力選手と藤波辰爾選手の2人が、蝶野正洋選手の脇をガッチリと固めた。各団体のトップレスラーが集結した豪華なカードはもちろん、フロント同士の協力体制や、「プロレス界のエゴを取り除く」というキーワードなど、話題騒然の「PREMIUM」をさらに解明するべく、ゼネラルマネージャーの蝶野選手を記者団が直撃した――。
--今回の対戦カードは蝶野選手が組んだ?
蝶野「各団体の材料を吟味した中で、色々な提案も出してもらい、最終的に答えを自分が出すという形でしたね。やっぱり、2回、3回と(興行を)やって行くところでは、それぞれの会社の駆け引きもあり、引き出しを全部は見せない。でも、ここ(『PREMIUM』)に出ることによって、注目度が高くなったり、自分の新しい闘いを見出したりとか、選手が輝く場所になれば、1つ1つの引き出しもまた増えて来るだろうと思います」
--大会の主役は蝶野選手たちになる?
蝶野「いや、主役どうのこうのというのはないですよね。スタートの基準は、ネームバリューがあるレジェンドというモノが引っ張る形になったけど」
--これをきっかけに各団体との交流が盛んになる?
蝶野「そうですね。団体対団体の交流戦というのは今もできてますから、それが3社間になったり、4社間になったり、まずはその垣根を取ると。でも、基本はどこの所属の選手というのは関係ないです。いちレスラーとして勝負したいと。長州さんや藤波さんというような、諸先輩方の目から見た、言い方は悪いですけど、いちレスラーとしての商品的な見方で。いいモノは引っ張って来るし、ダメなモノは捨てて行く。逆にそうやって選別するぐらいの形を考えています」
--各社のフロントが集まって一緒に仕事をするが?
蝶野「裏方がこれだけ一緒になって1つの大会を作り上げるというね。まぁ、どれだけのモノができるかというのは、業界としても新しい実験だと思います。さきほど、記者会見で藤波さんと長州さんが『闘いたい』と言っていたけど、これはいい意味での競争。対抗戦も一過性のモノじゃなく、定期的にファンに提供できるような環境になってくれれば。一番(大事なの)はお客さんが観たいモノだと思うんでね。そのためには、選手たちが自分のポリシーなり、独自のモノをそれぞれが作って行かないと。どこかでぶら下がっているような選手たちが対抗戦に出て来ても、何の意味もない。今は厳しい状況の中で、どこかに業界として甘えがあると思う。そこに喝を入れないと。これだけ多くのファンを、まだプロレスとしては持っているわけですから。それは、若いヤツもベテランも関係ないというかね」
--仮に、棚橋選手たちが「PREMIUM」への参戦を拒否した場合は?
蝶野「そこは強権を発動してでもマッチメイクを作って行く。それが俺たちの役目だと思っている。新日本に対する圧力は俺が掛けるし、そういう駆け引きは当然する。それは両先輩たち(藤波、長州)もいるしね。基本的にお客さんが観たいというカードができた時には、そこの利害関係は外した形で物を作り上げていくという形ですよね」
--将来的には規模を大きくして行きたい?
蝶野「色んな団体があって、それが1つになれば物凄い力を持っているんだけども、1つになる状態が今までないんだよね。もう時間がないんで、間髪入れずにポンポンポン(と興行をする)という形でみんなが手を取り合うというか、上りつめて行く状態を作っていかないと。年内にその形を作って、来年は勝負ということになると思いますよ」
--すでに来年に向けたプランがあることを明らかにした蝶野選手。これで分かるように、今回の「PREMIUM」は今まで蝶野選手が手がけて来たどのプロデュース興行ともスケールが違う。まったく新しい興行形態のブランドである。蝶野選手が自ら立ち上がったのは、プロレス界の発展を心より願っているからに他ならない。だが、一連の発言が示すとおり、目的達成のためには一切の手段を選ばないだろう。プロレス界を1つに導くべく、“黒いカリスマ”がついに動き出した。 |